2010/12/31

削って作る方法と、付け足して作る方法


大前氏 アップルは失敗繰り返しアンドロイドに負けると予測


グーグルの携帯電話向けOS(基本ソフト)「アンドロイド(Android)」を搭載したタッチパネル方式のスマートフォン(高機能携帯電話)が続々と登場し、アップルの「iPhone」を追撃している。大前研一氏は、そんな状況を以下のように分析する。

* * *
アップルのCEOのスティーブ・ジョブズは、今まさにパソコンのMac(マッキントッシュ)と同じ失敗を繰り返そうとしているように見える。“Macの失敗”とは、OSを他の企業には売らず、ハードとワンセットで自分で売ろうとしたことである。

その結果、マイクロソフトがIBMと組んでMS/DOS(のちのウィンドウズ)を発売すると、アメリカ、日本、台湾など世界中のパソコンメーカーが雪崩を打ってこれを採用したため、Macは洗練度で高い評価を得ながら、シェア争いで一敗地に塗れ、ジョブズは一時期アップルを追い出された。要するに、OSは搭載されるハードの数を拡大したところが勝つのである。

なぜ未だにジョブズがOSとハードをセット販売し、さらにコンテンツのダウンロードでも儲けるという偏狭な垂直統合モデルに固執するのか理解に苦しむが、おそらく彼は心の奥底ではアップルを“メーカー”と認識しているのだろう。

メーカーだから(実際に製造しているのは世界最大のEMS企業・鴻海精密工業だが)OSとハードをワンセットで設計・製造・販売するのが当たり前と考えているのだと思う。そして彼は商品について非常に強いこだわりがあるので、OSだけでなく細かいハードの見てくれや使い勝手の良さをとことん追求する。

その手法はMacでは失敗したが、iPodとiTunes Store(アップルが運営している音楽、動画、映画などの有料コンテンツ配信サービス)が大成功したことで、ハードで儲けてコンテンツでも儲けるという新しいモデルを構築した、と勘違いしたのではないか。

だからiPhoneではAT&Tやソフトバンクモバイルとだけ組み、そこにハードやコンテンツを乗っけて自分でコントロールしているのだろう。つまり、通信会社の運命さえも支配できる、と考えているに違いない。

だが、そういう強欲な“覇権主義”はスマートフォンでも命取りになる。いま中国では、iPhoneの海賊版がたくさん売られている。通常、iPhoneはSIMカード(電話番号を特定するための固有のID番号が記録されたICカード)がロックされているうえ、筐体を開けることさえできないため、ユーザーは自分でバッテリーも交換できない。

かたや中国のiPhoneもどきはSIMフリー(どのキャリアのSIMカードでも入れ替えて使える)になっている。もちろんバッテリーは自分で交換でき、なかにはSIMカードを3連装できる機種もある。一番安い商品は15ドルくらいだ。しかし、この使われ方こそが「正解」なのである。

つまり、ジョブズがスマートフォンで勝者になりたいなら、iOSをアンドロイドと同じくオープンソース、あるいはそれに近い方式にして誰でも自由に使えるようにし、SIMカードもフリーにしてユーザーがキャリアを自由に選べるようにすべきなのである。

だが、ジョブズは絶対に自分の主張を曲げないので、今回もその頑固さが災いするかもしれない。言い換えれば、まだジョブズには「プラットフォーム」という概念がないと思われるので、そこが彼の死角であり、限界かもしれない。

※週刊ポスト2011年1月7日号

まーた大前研一が電波飛ばしてやがるw

この大前研一ってのはなんで結構ちやほやされるんだろうね?俺から見たって視野が狭くって、技術に疎い、声がでかいだけの評論家なんだがねぇw

製品にどんな機能を盛り込むかでも、旅行に何持って行くかでも、何でもいいんだが、モノの作り方には大きく分けて二通りあると、俺は考えている。一つは積み上げていく方法。二つ目は切り捨てていく方法。積み上げていく方法ってのは、これも入れられないか、あれも入れられないかと、欲望の赴くままにどんどん機能を詰め込んでいく方法。これはスペースや余力があれば、そりゃ一番スペックの良いものができあがるっていう利点がある。もう一つは削っていく方法。この機能が無くても何とかなるんじゃないか、この制限された条件の中で、一番大切な残すべきモノはどれなのかと、大切なモノに集中してあとは削っていく方法。限られた資源しかない場合には、こちらの方が洗練されたものができる。

スマートフォンに限らずモバイルの電子機器には、バッテリーという最大の足かせがある。機能を積み上げていけば、肥大化し結局、使えない道具に成り下がってしまう。機能を削って作るには、強いイニシアチブ、統制が必要だ。Blackberryなんて削ったもの作りで成功をしている最たる例だろう。レスポンスを落とさず安心のバッテリー、という条件下でのベストを目指している。

アンドロイドの発展に対して、俺はこの点に不信がある。確かに、ベースとなるLinuxは軽くて早い。しかし機能を盛り込んでいけば、のろまの大食漢のできあがり。自分でカスタマイズできるということは、その人がきちんとした知識があってカスタマイズしていかないと、ひどいことになりかねない。このきちんとした知識ってのがやっかいで、Linuxなら自己責任でいいがスマートフォンはただの道具であり、家電の延長だろう?これはFirefoxでも同じことだし、Firefoxをカスタマイズして使っているひとなら誰でも感じていることだ。

まとめると、ユーザー任せにしとけばアンドロイドは肥大化し、絶対に負けると断言しよう。アンドロイドを用いてもいいが、そこには強い統制が必要だ。

1 件のコメント:

  1. [...] ほらなw 以前俺が書いたように、アンドロイドが肥大化してきただろw オープンなOSなのをいいことに、みんながあれもこれもと機能を盛り込んだり、色々な規格を勝手に立ち上げたりとしているうちに、のろまの大食漢のできあがりだw と思っていたが、iPhone陣営もややアホな事になってきているようだな・・・ iPhoneには折角バリエーションがほぼ無いんだから、きっちり統制とらないと利点が生きてこないだろう。 [...]

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