2012/07/11

情報と感情の光速での共有


大津の皇子山中の事件で、2ちゃんねるの既婚女性掲示板、通称”鬼女板”のパワーが改めて凄い。
誰かが書いていたが、ありあまる時間と情報網と熱意を持ち、怒らせると止まらない・・・

結局、いじめ事件の首謀者と見られる少年達、その親族、当時の担任の先生、教育委員長他の、あらゆる個人情報が暴かれてしまった。住所、電話番号、少年の携帯番号、顔写真はもちろんのこと、Greeでちょっと話したことまで、すさまじい情報収集能力だw しかも、掲示板を覗くと、鬼女たちは凄まじい勢いで怒っている。まあ、あの事件のことに少しでも触れればそりゃ感情が爆発するさ。ましてや女性ってのは、子供を守る母性本能ってのが男以上に発達している。今度の事件も他人事ではないんだろう。もし自分の子供が、と想像するんだろう。ある意味、母の愛のひとつの表現型なのだな。

改めて思うのが、ネットってのは情報の共有スピードが本当に早い。それは同時に「感情の共有スピード」も凄まじいってことだ。ネットを覗くと同じ感情を抱く人々がいる。すると、一緒に悪を倒そう!となる。緩く、しかし強いチームワークができあがっていく。ネットってのは、流れていくあやふやな情報というとらえ方もあるが、別の面から捉えれば、情報の劣化が無い、ということ。柔らかく広がったアメーバのような情報収集網に、少しでも引っかかれば、劣化することなく複製され広がっていく。結局、少年の携帯電話まで、グーグル先生にお聞きすれば即答してくれることになる。

俺は掲示板を読んでいくと、時々不思議な感覚を感じることがある。ネットの向こうの色々な意見が、まるで「ぼんやりしたひとつの意識のかたまり」のように感じるんだな。以前にもブログに書いたことがあるが、何かに対する意見、感覚ってのは、一つに絞れるものじゃない。例えば花を見る。色、におい、感情、感触、思い出、色んな感情がわきあがって、「ぼんやりしたひとつの意識のかたまり」が浮かんでくる。掲示板を読んでいて感じる同じそれ、すなわち「ぼんやりしたひとつの意識のかたまり」は、俺の元来持っているそれと同じくらいの広がりをもって、割と多くの部分がオーバーラップしている。深層心理、共感覚と呼ばれるものなのだろうか。意識と書いたが、それは、時として情報であり、時として感情であり、時として思考パターンだったりもする。そして、時々、俺の意識の固まりの一部を、思っても見なかった想定外のやり方でふくらます。まるで外部思考回路みたいな感覚。あるいはブレインストーミングの一種なのかもしれない。

時代遅れの考えしか持たぬマスゴミは、ネトウヨ、ネットイナゴとさげすむが、それは恐らく人が人としてもつ本質的に共有できる部分がやはり人にはあるってことだ。ネットとPCの発達は記憶の外部化をもたらしただけではなく、思考の外部化と、共有化ももたらした。なんだか少佐みたいだなw その本質的な意味を、旧来のマスゴミはもっと真剣に考えるべきだ。それは、おそらく一種の神のかたちなのかもしれない。人が悩み苦しみ三歩進んで二歩下がってそれでも前に進む時、その良き相棒となってくれるそれがネットなのだな。未熟な心を持つ者達は、時にそれに惑わされ、狂わされるキケンもあるかもしれない。しかし、“それ”に狂わされることなく、自分の脳の一部としてコントロールして活用できるならば、その時、人はより上位の概念へと進化できる。

道徳の時間なんてつまらないことやってるんじゃなくて、PCとネットをいかに制御するか、それといかに付き合うか。リテラシーとかいう授業があるが、あれじゃあだめだ。悪いことをしてはいけません。じゃあ、悪い事って何?なんでやってはいけないの?そんな問いかけ程度で思考が停止するような自称大人なお偉い方々のつくった道徳の教科書じゃ、もう記述できない世界に入ってきている。

まとまりが無くなってしまったが、鬼女達の”祭り”を観てふと、そんなことを考えた。

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