2012/03/01

今更ながら原子力アレルギーについて記してみるメモ


今更ながら未だに放射線アレルギーの人に向けてメッセージ。

放射能の人体の影響は次の二つに大別できる。

1)確定的影響
たった細胞1個が傷つくことにより壊滅的なダメージを受けるケース。ごく初期の胎児に奇形が生じたりする場合がこれに該当する。症状が出てしまった場合は、放射能の大小にかかわらず最悪。要するに奇形や死産だ。発症数は放射能の大きさに比例する。

2)確率的影響
多くの細胞がある割合以上傷つくことにより生じる障害。例えば、造血細胞の損傷による貧血、毛髪の細胞の損傷による脱毛、皮膚の細胞の損傷による発疹・潰瘍など。症状は、放射能の大きさに対して閾値を持ち、かつ指数的に増大する。閾値があるのは、生体の自己修復能が働いている為。

さて、その基本を踏まえた上で、次に原子力アレルギーの人の特徴について述べてみる。

特徴その1)
統計では決して語らない。極端な例をいくつか引き合いに出し原子力そのものを否定する。ドミナントストーリーってやつだ。最近は、宗教の一種じゃないかと思う事もある。

特徴その2)
確定的影響と、確率的影響をまぜこぜにする。ガンの怖さを強調するくせに、悪性貧血や脱毛の報告が無い件は無視する。最も出やすいと思われた放射性ヨウ素による小児の甲状腺異常も今のところ認められていない模様。
参考資料 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/352710.html
でも週刊文春は被害があったことにしたいみたいだな。ねつ造記事書いて、発言をねじ曲げられた現場の医者が、抗議の記者会見やってらw
参考資料 http://togetter.com/li/262782 

特徴その3)
統計を持ち出すと感情論で対抗してくる。例「数の問題ではない!ガンになった子がかわいそうだ!もしガンになったらどうするんだ!」じゃあ車に乗るな、町を歩くな。だって交通事故で年間約5千人も死んでいる。そっちのがよっぽど怖い。
参考資料 http://www.npa.go.jp/toukei/kouki/0102_H21dead.pdf

特徴その4)
偏西風に乗ってやってくるタクラマカン砂漠での中国の大気中核実験の放射性物質は無視する。黄砂が飛んでくるんだからそりゃ色々来てるだろう。参考資料はめんどくさいw どこにでも転がってる。

特徴その5)
わかりもしないくせにドイツの脱原発を強調し、フランスの原発により生み出された莫大な電力を買っている件を無視。ちなみにユーロでGDPナンバー2のフランスは電力の78%を原子力に頼ってる。
参考資料 “L'électricité en France en 2008”. Ministère de l'Écologie, de l'Énergie, du Developpement durable et de l'Aménagement du territorie.
そして韓国や中国が、今回の日本の事故をやれチャンスとばかりに、原子力発電所を外国に売り込んでいる件は無視する。
参考資料 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120301/t10013395381000.html
参考資料 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK810187720120223

特徴その6)
自分の主義主張に合う学者の意見のみを引用する。初めから結論は決まっており、修正する気は無い。自分より知識と情報を持っているはずの、東日本に住んでいる博士のほぼ100%が、そのまま生活してる件を無視する。つうか馬鹿な芸能人はほっとくとして、科学者や医者で逃げた人っているんかい?

以上、こういう人間がそばにいるとはなはだ苦労する。
ナポレオン・ボナパルト曰く、「真に恐ろしいのは有能な敵ではなく無能な味方である」。

放射線医学総合研究所の放射線被曝に関する公式な見解はこれな。
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i13
100mSvでは放射線がガンを引き起こすという統計的なデータは無い。ちなみに検査で使われるX線撮影では50μSvだが、CTでは数十~百mSvを被爆することもある。ICRP(国際放射線防護委員会)も、100mSv以下の胎児被爆でも統計上有意となる奇形増加は無いと結論づけている。
参考文献 ICRP: Pregnancy and Medical Radiation. ICRP Publication 84, 2000, pp15-17.
URLはこっち http://www.icrp.org/publication.asp?id=ICRP%20Publication%2084

ちなみに文部科学省の発表した東京の2012年3月1日9時現在の放射線量は、0.051μSv/時=0.45mSv/年。影響なしと言われている数値の2000200分の1だ。どうでもいいレベルの値だと言うことは誰でも判るだろう。100倍に増えたって、だからどうだ、という話だ。参考までに山口県山口市の同日時での放射線量は0.095μSv/時。ほれ、東京の2倍も放射線量多いぞ。

それより気にするべきは日々の生活、食事だな。免疫の低下の方がよっぽど寿命を縮める。
大局を見誤ることなく、健康的な生活を営んで欲しいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿